就職ナビが変えた就活ルール

採用企業側の"ターゲット採用"が推進されていく理由のもう一つは、就職ナビという、システムを利用することによって起きています。

就職ナビを利用すると、企業情報の収集のほか、会社説明会の予約、エントリー、面接の合否を知ることなど、就職活動の一連の流れのなかで行うことの多くができるようになりました。現代の就職活動の定番となっています。

その昔、大学への求人票を中心にした就職活動を行っていた頃は、"大学間格差"がとてもハッキリしていて、どの学校の学生でも求人情報を見ることができる状態ではありませんでした。

インターネット等を介して、誰でも自由に閲覧できて応募できる求人情報。当たり前ではなかった時代に比べると、よい方向に向かったと言えるかもしれません。

しかし一方で、これが採用側が混乱してしまう原因ともなってしまったのです。応募者数が相当増えてしまい、採用活動自体が大規模となってしまい、そのうえ雑になってしまう状態。大量の応募者をさばくため、説明や選考に手間をかけられなくなってしまったのです。

大手や人気の企業には5万人ものエントリーがきたり、20名程度しか採用しないとしているベンチャー企業であっても、1万人超の応募があったところも。ですから、仕方が無いのかもしれません。

でも、選考が雑になってしまった結果、採用後 に企業が求めている人材像とのギャップがあったり、ミスマッチが起こってしまうという問題も出ているようです。

そこで企業側が行った対策の一つが、応募のハードルを上げること。エントリーシートの難易度を上げたり、面接内容についても回答が難しいものを入れたり、ふるいにかけているのです。

そこでますます「断層」ができてしまうという悪循環が生まれてしまうわけです。就職ナビという便利ツールが、就職活動のスタイルやルールを変えてしまったために起きているのです。

氷河期では片付けられない就活

企業の新卒採用に対するホンネ